ポーランド(ワルシャワ)で生まれ、小学校4年から高校終了までをニューヨークで過ごす。1998年慶應義塾大学経済学部卒業、三菱商事入社。三菱商事では途上国向けのODAプロジェクト及びICT(Information and Communication Technologies)分野での新規事業立ち上げ、ベンチャー投資に従事。2007年にハーバード?ビジネス?スクールを卒業後、国際金融公社(IFC)に入社。インフラ事業部門を経て、現在のICT事業部門へ。途上国におけるICT企業向けの投融資を担当。
「海外で働きたい」「国際的な舞台で活躍したい」というシンプルなキーワードで、メーカー、邦銀、金融、商社など幅広い業界を対象に就職活動をして、最終的に三菱商事に入社しました。最初の3年間は情報産業グループに配属され、途上国向けのODA(政府開発援助)プロジェクトを担当。主に東欧、CIS(Commonwealth of Independent Stats:独立国家共同体=旧ソ連地区)で医療分野の業務に従事していました。例えば、ゼネコンとタイアップしてインドに小児病棟を建てたり、モルドバの母子病院に医療器材を提供したり。次に担当したICT分野での新規事業でアメリカ企業と合弁で会社を立ち上げたんですが、会社の経営や管理に関する興味が高まると同時に、自分の足りないところがはっきりと見えてきたんですよね。大企業の一員として優秀であるのと、会社経営で手腕を発揮するのとではまったく違うスキルが要求されると感じましたし、高校や大学の頃はアメリカの大学への漠然とした憧れだったけれど、自分は今ビジネスをやっているんだからビジネススクールに行ってMBAを取るべきだ、ときっぱりと思いました。
1歳になる娘がいるんですが、育児はなるべく手伝うように心がけています。「イクメン」なんて言われると照れるんですが、日本の企業と違って、今の職場はワークライフバランスにおいてはとても理解があると思いますね。毎日1時間ずつ長く働いて、2週間に1度休みを取るというAWS(Alternative Work Schedule)と呼ばれる制度があったり、今はパソコンと携帯電話さえあればどこにいても仕事ができて、社内的にも常識の範囲内でそういう働き方が認められている。こういう制度などを利用して、2週間に一度はなるべく休んで家事や育児を手伝ったり、夜は早めに帰って家族と食事をして、自宅で仕事をしたりしています。やはり海外で子供を育てていると、おじいちゃんおばあちゃんのサポートがないので、夫婦で助け合えるところは助け合っていかないとね。通勤時間を短めに設定しているのも、限られた1日を上手に使うための自分なりの工夫のひとつかもしれません。